【コラム】 美は私たちのもの

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 ごきげんよう

以前の記事でBEAUがどういったものかを説明しました。

BEAUが何のために活動しているのかも理解してもらえたかと思います。

「でもなんでそう思うようになったの?」

そう思う人も少なくないでしょう。

今回はBEAUの発起人であるAkiraが実体験と共に、その胸中を告白していくコラムです。

気楽に読んでみて下さい♪

 

目次

 

 

美は私たちを幸せに導いてくれる

私が庭師の元で修行していたときの話です。

私は都会育ちだったため、自然に触れた経験が少なく、動植物もそんなに見たことがありませんでした。

先輩と庭仕事をしていると、あるものを渡されたのです。

「道ばたに落ちてたよ」

それは鳥の巣でした。

初めて見たのですが、あまりの美しさに私は驚きました。

何層にも細かく重なった木の枝。

卵を傷つけないための綿のクッション。

宝石のように輝く露。

「鳥はこんなにも素晴らしいものをせっせとつくっているのか」

ということが私には信じられませんでした。

しばらくその感動の余韻は私を包み込んでいました。

いつもと同じ世界がいつも以上に色鮮やかに見えたのを今でも覚えています。

それを心と呼ぶのか、魂と呼ぶのか私には知りません。

いずれにせよ自分の内なる部分が震えていたのだと思います。

人間が人間らしく生きている瞬間。

私たちが私たちらしく生きている瞬間。

そんな感覚が私にはありました。

「こんな瞬間がずっと続けば誰もが幸せなんだろうな」

この答えは理屈ではなく感性によって導かれたのだと思います。

この経験がきっかけで私は自ずと美を求めるようになりました。

 

けれども美って少ないよね

仕事を終えて夜になり、自然から離れ元の社会に戻ります。

上司に対する不平不満

下世話な内容のテレビ番組

快楽や刺激を全面に押し出した流行

そんな瞬間にも人間らしさはあって決して悪いものではありません。

ただ、そういう場面が私たちの社会の中ではあまりにも多すぎるのではないのかと思いました。

勿論これだけでみんなが幸せであれば何も問題はないでしょう。

しかし残念なことに幸せを感じられない人は世の中に沢山います。

私たちを癒やす最適な手段が仮に「美」だとすれば、この社会の中で「美」に近づく機会をもっと増やさねばならないと思ったのです。

そして私と同じことを考えている人は世界中に沢山いると思います。

もしくは同じような思いを持っていても目指しているものが「美」だということの自覚がない人が沢山いるかもしれません。

そんな人たちと協力し合って、社会に新しい価値観を提案していこう。

それがBEAUを立ち上げるきっかけとなりました。

 

美に多く触れている人間

先ほど話しましたように、一般的に私たちは美を意識することなく日々を過ごしています。

では逆に毎日美を意識しながら生きる人たちはこの世界にいるのでしょうか。

私が思うに、そのような人は基本的に2種類いると考えています。

 

①芸術家

その昔、芸術家は作品として美を表現していました。

彼らに倣って美の表現を試みる芸術家は今日においても沢山いるのです。

(勿論、現代において芸術の役割は美だけではなくなっているのも事実です。)

美術館に行けば、心に残る美術品たちが私たちに美を訴えかけてくれます。

それはとても素晴らしいことです。

しかしこの感覚を言葉でもって理解することができないのも事実です。

勿論「美は心で感じるものだ!」と言われればそれまでです。

しかし私は美を「共有する」ことを目指しています。

それには言語によって美を理解するということ「も」大切なのだと思います。

したがって芸術家の活動のみでは私たちの活動は成立しません。

 

②美学者

彼らは哲学者です。

世界の真実を論理でもって訴えることに努めています。

そのために美を研究しているのです。

彼らの本を何冊か読んでみました。

本当に難しいです。

しかも周りには「美学」という学問さえ知らない人たちが沢山います。

(恥ずかしながら私もその一人でした。)

こういった事実から彼らの本は悲しいことに全然手に取られていないのだと思いました。

つまり美学者だけでも私たちの目的は達せられないでしょう。

 

 まとめ

  • 美は私たちを幸せに導いてくれる
  • ところがこの社会の中で、美に触れる機会は少なくなってきている
  • 美に普段から意識的に触れている人間は大雑把に考えて「芸術家」と「美学者」だけだ

 

美は大切であっても、現代社会では触れる機会が限られています。

「芸術家」や「美学者」以上に「わかりやすく」美の価値観を共有していくことがBEAUの役割なのです。

「私たちにとって」美って大切なんだね。

そういった当事者意識を一人でも多くの人が持ってくれることを私たちは夢見ています。